「日本一の滝」と言えば、落差なら富山の称名滝、幅なら鹿児島の曽木の滝(諸説あり)などが有名ですが、「滝つぼの広さ日本一」と言われる滝があるのをご存じですか?
その滝は、神話の里・宮崎県高千穂町の隣、五ヶ瀬町の深い山奥にひっそりと存在しています。
その名は「鵜の子滝(うのこのたき)」。
正直、訪れるまでは「滝つぼが広いって、どういうこと?」とピンときていませんでした。
しかし、現地の展望台からその姿を見下ろした瞬間、言葉を失いました。
「なんだこれ……。穴だ。巨大な穴が空いている……」
森の中に突如として現れた、直径約100メートルもの巨大な円形の空間。
その底に水が注ぎ込まれている光景は、まるで古代ローマの円形劇場のようであり、あるいは地球に空いた瞳孔のようでもありました。
今回は、知る人ぞ知る宮崎の秘境、鵜の子滝の圧倒的なスケールと魅力をご紹介します。
鵜の子滝のスペックが規格外
落差は20メートルとそこまで大きくありません。
しかし、特筆すべきはその滝つぼです。
- 滝つぼの面積:約5,000平方メートル
- 滝つぼの直径:約100メートル
5000平方メートルと言われてもピンとこないかもしれませんが、バスケットボールコートなら12面、テニスコートなら19面くらい入る広さです。
滝つぼというか、もはや「湖」ですよね。
周囲は柱状節理(ちゅうじょうせつり)と呼ばれる、カクカクした岩壁に囲まれています。
これは約9万年前の阿蘇山の噴火活動によるもの。
長い年月をかけて台地が侵食され、このような特殊な地形が生まれたそうです。
現地レポート! 滝つぼまで降りてみた
遊歩道は冒険への入り口
駐車場は滝の近くに完備されています(約7台、無料)。
ここから遊歩道を歩いて、滝つぼを目指します。
最初は整備された階段ですが、徐々に道が険しくなっていきます。
急な下り坂が続くので、帰りの登りを想像して少しゾッとしますが、下から聞こえてくる轟音に期待が高まります。
歩くこと約10分。
木々の隙間から、巨大な空間が姿を現しました。
轟音が反響する地下帝国
滝つぼの淵(ふち)に立つと、そのスケールに圧倒されます。
写真では伝わりにくいのですが、とにかく広い!
巨大な岩壁に囲まれた空間に、水が落ちる音が「ドォォォォン……」と反響しています。
まるで巨大なスピーカーの中にいるような感覚。
音が身体に突き刺さってくる感じです。
周囲の岩壁は苔むしていて、太古の昔から時間が止まっているような雰囲気。
ジブリ映画「もののけ姫」のシシ神様が出てきてもおかしくない、神聖な空気が漂っています。
滝つぼの水はエメラルドグリーン。
深さはどれくらいあるのでしょうか。底知れぬ恐怖と美しさを感じます。
もう一つの楽しみ方:展望所
滝つぼまで降りる体力がない方、あるいは全体像を俯瞰したい方におすすめなのが、対岸にある「鵜の子滝展望所」です。
こちらからは、森の中にポッカリと空いた「穴」の全貌を見ることができます。
上から見ると、滝つぼがドーナツ型(というかお椀型)になっているのがよく分かります。
「あそこまで水が溜まったらどうなるんだろう?」と想像力をかき立てられる地形です。
ドローンを持っている方なら、間違いなく最高の映像が撮れるはず(※飛行ルールは要確認)。
注意事項:秘境ゆえのリスク
鵜の子滝は素晴らしい場所ですが、秘境ゆえの注意点もあります。
- 道が狭い:駐車場までの道は結構狭いです。対向車が来たらすれ違いに苦労する箇所もあるので、運転初心者の方はご注意を。
- 足元注意:遊歩道は滑りやすい場所があります。スニーカー必須です。
- 熊やマムシに注意:大自然の中ですので、野生動物には十分注意してください。
周辺の立ち寄りスポット
五ヶ瀬町・高千穂町周辺は絶景の宝庫です。
高千穂峡(たかちほきょう)
車で約30分。言わずと知れた九州屈指の観光地。
ボートに乗って下から見上げる「真名井の滝」は一生に一度は見ておきたい絶景です。
白川水源(しらかわすいげん)
車で約40分(熊本県南阿蘇村)。
毎分60トンもの水が湧き出る名水スポット。
ここの水は本当に美味しい!持ち帰り用のペットボトルを持っていくのがおすすめです。
まとめ:日本一の「穴場」へ行こう
滝つぼの広さ日本一の「鵜の子滝」。
高千穂峡のような派手さや賑わいはありませんが、その分、静かに大自然と向き合える貴重な場所でした。
観光客も少なく、運が良ければこの巨大な空間を独り占めできるかもしれません。
岩壁に囲まれた空間で、ただ滝の音を聴きながらボーっとする。
そんな贅沢な時間の使い方ができる、大人のための絶景スポットです。
宮崎県北エリアや阿蘇方面へのドライブの際には、ぜひ少し足を伸ばして、この「巨大な穴」を覗き込んでみてください。
地球のパワーを全身で感じられますよ!

