まさか川全体が温泉なんて!知床の奥地へ
世界自然遺産・知床。
手つかずの大自然が残るこの地の最奥部に、常識を覆すような滝があります。
その名は「カムイワッカ湯の滝」。
「カムイワッカ」とはアイヌ語で「神の水」。
その名の通り、ただの川ではありません。
なんと、川の水そのものが「温泉」として流れているのです!
「川が温泉?そんなバカな」と思うでしょう?
私も半信半疑でした。
でも、実際に行ってみて驚愕しました。
温かい川の中をじゃぶじゃぶと歩いて登っていく、まさに天然のアドベンチャーワールド。
今回は、そんな非日常体験をレポートします。
アクセスは試練の連続!ダート道を突き進め
カムイワッカ湯の滝へのアクセスは、一筋縄ではいきません。
まず、アクセスできる期間が限られています(例年6月〜10月下旬)。
さらに、8月の混雑時期はマイカー規制がかかり、シャトルバスでしか行けなくなります。
私が訪れたのは10月上旬。
マイカー規制は解除されていましたが、そこまでの道のりが凄まじかった。
知床五湖を過ぎると、待っているのは約10キロメートル、時間にして20分以上の砂利道(ダート道)です。
ガタゴトと激しく揺れる車内。
隣は断崖絶壁。
そして道路脇には「クマ出没注意」の看板がこれでもかと立っています。
「これ、パンクしたら終わりじゃん…」
そんな恐怖と戦いながら、ハンドルを握る手にも汗が滲みます。
野生の王国!ヒグマとの遭遇率高し
知床は世界有数のヒグマの高密度生息地。
カムイワッカへの林道は、まさにヒグマの生活圏を突っ切るようなものです。
幸か不幸か、私はこの往復の道中でヒグマには遭いませんでしたが、エゾシカやキタキツネには当たり前のように遭遇しました。
特にエゾシカは道路の真ん中で「何か用?」といった顔でこちらを見ていて、車が近づいてもなかなか退いてくれません(笑)。
まさに野生の王国にお邪魔している感覚です。
いざ、温泉の川へ!沢登りスタート

ようやく駐車場に到着。
車を降りると、硫黄の匂いがほのかに漂っています。
目の前には、岩肌を滑り落ちる川の流れ。
「よし、行くぞ!」
靴を脱ぎ、ズボンの裾を膝までまくり上げて、川の中へ足を踏み入れます。
「あ、温かい(笑)」
本当に温かいんです。
水温は30度くらいでしょうか。
冷たい川を想像していた足裏に、心地よい温もりが伝わってきます。
滑る!痛い!でも楽しい!

しかし、ここからが本当の戦いでした。
川底の岩は温泉成分でヌルヌルと滑りやすく、気を抜くとすぐに転びそうになります。
その上、酸性度が強いためか、裸足で歩いていると足の裏がだんだんとピリピリ痛くなってくるのです。
「うおっ、滑る!」
「足痛てぇー!」
悲鳴を上げながらも、一歩一歩、慎重に上流を目指します。
公式には「一の滝」までしか行けませんが、そこまでの道のりだけでも十分すぎるほどのアドベンチャー。
滑りにくい「マリンシューズ」か「アクアシューズ」を持参することを強く強くおすすめします。
裸足やビーチサンダルは無謀です(私は裸足で挑んで後悔しました…)。
天然の露天風呂?一の滝へ到達

苦労して登り切った先にある「一の滝」。
滝つぼは程よい深さがあり、まさに天然の露天風呂といった趣です。
…が、実際に入浴している人は誰もいませんでした(笑)。
強酸性泉なので肌への刺激が強く、目に入ると激痛が走るとか。
あくまで「足湯」や「沢登り」として楽しむのが正解のようです。
それでも、この開放感は格別です。
目の前には知床の深い森。
見上げれば青い空。
足元には温かい温泉の川。
「地球ってすごいな」と素直に感動できる場所でした。
かつてはもっと奥まで行けた?

一の滝より上流には「二の滝」「三の滝」「四の滝」と続いているそうですが、現在は落石の危険があるため立ち入り禁止になっています。
かつては四の滝まで登って、滝つぼに浸かることができたとか。
うーん、羨ましい!
いつか安全が確保されて、奥まで行ける日が来ることを願うばかりです。
帰り道も油断大敵!
行きはよいよい、帰りは怖い。
下りはさらに滑りやすく、恐怖倍増です。
へっぴり腰になりながら、なんとか駐車場まで生還しました。
足の裏はピリピリ、ふくらはぎはパンパン。
でも、心は不思議な達成感で満たされていました。
まとめ:知床に来たら絶対に挑戦すべき冒険
カムイワッカ湯の滝は、単なる観光地ではありません。
全身を使って自然を感じる、アクティビティスポットです。
決して楽な道のりではありませんが、そこでしか味わえない驚きと感動が必ず待っています。
準備万端(特に靴!)にして、ぜひこの秘境の温泉川に挑んでみてください。
きっと、一生忘れられない旅の思い出になるはずです。
アクセス・詳細情報
カムイワッカ湯の滝
- 住所:北海道斜里郡斜里町遠音別村
- アクセス(車):ウトロ温泉から車で約40〜50分(最後の約11kmは砂利道)。
- 駐車場:あり(約15台)
- 利用期間:6月上旬〜10月下旬(8月などはマイカー規制あり、シャトルバス利用)
- トイレ:簡易トイレあり
- 服装・装備:濡れても良い服装、滑りにくい靴(かかとのあるサンダルやマリンシューズ推奨)、タオル
- 注意点:ヒグマ出没注意。強酸性のため肌の弱い方は注意。

