宮崎県五ヶ瀬町。
九州のへそとも呼ばれる山深いこの町に、冬にだけ奇跡のような姿を見せる滝があります。
その名は「白滝(しらたき)」。
落差60メートル。
断崖絶壁から白い布を垂らしたように優雅に落ちるその滝は、冬の厳寒期になると凍りつき、「氷瀑(ひょうばく)」へと変貌します。
そして、その氷の形がある特定の条件を満たした時……。
なんと、巨大な「ハートマーク」が現れるのです!
「氷のハートだなんて、ロマンチックすぎる!」
そう思った私は、寒波が到来した1月、カメラを片手に五ヶ瀬町へと車を走らせました。
しかし、そこで待ち受けていたのは、Googleマップ大先生による「嘘の道案内」という罠でした……(笑)。
今回は、白滝への正しい行き方(超重要!)と、感動の氷瀑体験をレポートします。
重要:アクセスには要注意!
Googleマップの罠
これが一番伝えたかったことです。
何も知らずにGoogleマップで「白滝 五ヶ瀬」と検索してナビを開始すると、とんでもないルートを案内されます。
国道から外れ、民家の軒先をかすめ、車一台がやっと通れるかどうかの激狭な林道へ。
「え、本当にここ通るの?」と冷や汗をかきながら進むと、最終的には通行止めや、物理的に走行不可能な獣道に行き当たります。
正解ルート:
国道265号線を走っていると、「白滝」という小さな看板が出ています。
Googleマップは無視して、ひたすらこの「現地の看板」を信じて進んでください。
そうすれば、比較的安全な(それでも狭いですが)舗装路で駐車スペースまでたどり着けます。
冬道はスタッドレス必須
また、五ヶ瀬町は九州でも有数の豪雪地帯です。日本最南端のスキー場があるくらいですからね。
私が訪れた時も、道路はカチンコチンに凍結していました。
スタッドレスタイヤ、もしくはタイヤチェーンは必須です。
ノーマルタイヤで行くのは自殺行為なので絶対にやめましょう。
ちなみに私は、最後の急坂が怖すぎて、手前の広いスペースに車を停めて、最後は1.5kmほど歩きました。安全第一です。
現地レポート! 氷のハートとご対面
静寂に包まれた氷の世界
雪道を歩き、ようやく滝の入り口に到着。
そこから少し遊歩道を進むと、目の前に巨大な氷の壁が現れました。
「うわ……すごい……」
落差60メートルの岩壁全体が、巨大なツララで覆われています。
シャンデリアのように垂れ下がる無数の氷柱。
白く凍りついた滝は、時が止まったかのような静寂に包まれています。
水が落ちる「ザーッ」という音はなく、時折、氷がきしむような音が谷間に響くだけ。
現れた「奇跡のハート」
そして、目を凝らして見てみると。
滝の中央部分。
左右から成長した氷柱が繋がりそうで繋がらず、ぽっかりと空間が空いています。
「あ、ハートだ!」
見事なハート型です。
バレンタインデーに合わせて自然が飾り付けをしてくれたかのような、完璧なシェイプ。
背景の岩肌の黒、雪の白、そして氷の青。
そのコントラストの中に浮かぶハートマークは、神々しいほどに美しかったです。
地元の方の話によると、水量が少ない時期に寒波が来ると綺麗に凍りやすく、このハート形になるのはシーズン中でも数日あるかないかのレア現象だとか。
見られたら恋愛運がアップしそうですね!
四季折々の魅力
白滝の魅力は冬だけではありません。
秋の紅葉(11月上旬)
秋は、高さ70メートル以上ある断崖絶壁一帯が、赤や黄色のカエデ、ケヤキで彩られます。
白い滝と紅葉の錦のコントラストは、まさに「絶景」。
毎年11月3日頃(文化の日)には「白滝もみじ祭り」も開催され、多くの人で賑わうそうです。
夏の避暑とホタル
夏は緑深く、涼しい風が吹き抜ける避暑地に。
水が清らかなので、夜にはホタルが乱舞する幻想的な光景も見られるそうです。
ただ、冬に来た時の「何もなさ」が逆に滝を引き立てていたので、個人的には葉が落ちた冬~春推しですね。
周辺の立ち寄りスポット
せっかく五ヶ瀬まで来たら、周辺も巡ってみましょう。
高千穂エリア
車で約30~40分で高千穂町中心部へ行けます。
高千穂峡、天岩戸神社など、神話スポット巡りとセットにするのが王道ルートです。
五ヶ瀬ハイランドスキー場
日本最南端のスキー場。
CMが個性的すぎて話題になりました(笑)。
白滝で氷瀑を見て、スキー場で滑る。
南国・宮崎とは思えない「雪国体験」を一日で満喫できます。
まとめ:苦労してでも見る価値あり
「白滝」への道のりは、決して楽ではありません。
アクセスは分かりにくいし、道は狭いし、冬は寒いし凍ってるし。
でも、その苦労を乗り越えた先に待っている景色は、一生の思い出になること間違いなしです。
自然が創り出す、一瞬のアート。
氷のハートを見つけに、今年の冬は五ヶ瀬町へ冒険に出かけてみませんか?
(くれぐれもGoogleマップのナビにはご注意を! 現地の看板が正義です!)

